モンブランひと口食べる幸福度
浴びるほど薬を貰う検診日
木造で暑さ寒さがすぐ分かる
目玉焼きもちろん醤油味が好き
それなりに時を伝えた鳩時計
失敗を薬にしない夢の中
タクシーも値上げ並んで待つ時間
競うのは薬の数と言う老後
コンビニの弁当食べるお留守番
留守番も虐待という現世代
人間をまだ続けるかお題目
とりあえずコピーで済ますありがとう
柿の実を真っ赤に見せて夕焼ける
終活にバトンタッチを入れておく
親の敷く道を外れて迷いだす
城と言う落ち着く場所が四畳半
傲慢な言葉がいつも大炎上
マスクまだ外せないまま散歩中
マスクした人を確認する技能
祭りには人が溢れている平和
臆病な脈が時々間を空ける
過去形は大波小波凪もあり
軽トラに乗った神輿が練り歩く
笛太鼓祭囃子の音がする
泣く暇があればやること先にやれ
善人の味が出てきた老いの顔
忖度をするから白が黒になる
一品を誉める老後の会話術
地上みな海に沈んだ夢の中
図書館に読みたい本をリクエスト
誰からも信じてもらえない焦り
十五夜に食べる団子の味が好き
もちろんと言っても許す訳じゃない
過去形を何度も夢にみる老後
忖度と妥協どちらが得になる
松茸の香り全くしない秋
打つ時は赤ヘルだってたくましい
最近のサンマは痩せてダイエット
新米の香りゆっくり噛みしめる
真実を拡大コピーして配る
一杯やるかとスマホが騒がしい
AIと明るい未来絵図を画く
残高が減って身軽な老いの日々
AIにない閃きで生きている
百歳を越えると少しだけ目立つ
好き嫌いはっきり示すのは勇気
心臓に悪いストレスばかりある
暇だけは十分にある老いの日々
まだ青い言葉を吐いて酒を飲む
ミサイルを撃つ金だけはあるらしい