価値などは無いが磨いた丸い石
一千歩増やす元気なスニーカー
快感は満腹感の中にある
くよくよとするから迷う夢の中
定位置にいつものように座る老い
鈍いので喧嘩にならぬ間が平和
箪笥には暇な背広が吊り下がる
生乾きしたシャツを着る梅雨まじか
惜しまれて身を引く時を読み違う
領海を守る力を蓄える
まだ少し淡い期待もある老後
守るには武力がいると言う時代
雨上がるきらきら光る赤いバラ
喧嘩していつもの朝が懐かしい
何事も軽い気持ちで受け止める
禁煙の覚悟を決めた日を思う
朝刊の見出しがやけに騒がしい
一瞬の祭りに流す汗が好き
物価高右肩上がり止まらない
年よりは若いと言われ背を伸ばす
手を握り覚悟を決めた武者震い
この年でやっと感謝が分かり出す
終活で失うものがない気楽
新聞で作った兜懐かしい
目玉焼き週に一度は食べたいな
治にあって乱を学べという現世
信号はまだ赤なのに動き出す
信頼の眼に嘘は付けません
買いだめのビールが全て空になる
まだ生きる予定三食欠かせない
核兵器ここのあるぞと言うロシア
そうは無いチャンスを逃がす二日酔い
非常時で動きを止めるバリケード
良心で押さえ切れない出来心
コンビニの棚は食べたい物ばかり
坂道を登ると夢が開きだす
人間の攻撃性が止まらない
終活は気球のように風まかせ
幸せと思う気持ちを忘れない
目覚めたら感謝の言葉ひとつ吐く
叱られる覚悟を決めてノックする
悩みごと聞いてもらった夢の中
真実に近い言葉が揺れている
強欲がまだ少しある生き上手
ビル風に驚く凧の急降下
絵心は無いとへのへのもへじだけ
地球儀が三原色に染まるかも
ゴム長を履いたら大股で歩く
最高の知恵だと思う自尊心
目指すのはお猪口で二合までとする