菓子鉢にスナック菓子を少し出す

ライバルに憧れていた間合い取る

絵心がないので文字を書いておく

くるくるとスマホを触る老いの指

悲しいと北斗七星みる涙

好き嫌い占う花がまだ迷う

晴れる日があると信じて傘をさす

スマホなど無かった頃が懐かしい

アピールをするものもない人生譜

熟し柿ひとつ残して氷点下

空襲警報聞かないまま傘寿

ワクチンを打てと打つなと騒がしい

十億を夢にまで見る宝くじ

初恋は焦げる手前で消えていく

ブランドの名前のままで茹で上がる

それぞれの薬に感謝して生きる

給料の袋が立った夢をみる

欲がない金の無いのは平気です

年金を上げるニュースが欲しい老い

アピールが上手に出来た満足度

終活を鼻で笑っている貯蓄

トランプが吠えると平和消えていく

この年でわかったことが増えている

はらはらと枯れ葉が舞って冬になる

終活を始める後期高齢者

少ないが年賀葉書を買って来る

メモ書きのノートが今の宝物

なるようになると選択した覚悟

私の誠意を天秤にかける

ためらうと歩幅が狭くなりこける

自然体息をゆっくり吐いている

暖かい秋に感謝をして生きる

覚悟して細々今を生きている

年輪を重ねたように生きている

アイデアはいいが結論にはならぬ

焼き結び焦げた醤油のいい香り

百点の夢を今でもたまに見る

手を繋ぎ鬼の周りを回る歌

故郷がいつか遠くになっている

きりきりと空気引き裂く緊張度

その内に煙になって空を飛ぶ

お手軽に全てスマホで片付ける

驚いた顔が見たいとサプライズ

人に酔う酒の香りに酔う祭り

臆病で今を大事に生きている

年輪の記憶の中にある苦悩

この年で流石に欲はありません

この秋は曇っています十三夜

毎日がテストの答え合わせです

この歳になると昔が懐かしい